NTTデータと協力しVR打撃トレーニングシステムV-BALLERをリハビリで試用

武蔵小杉のベースボール&スポーツクリニックです。

当院は、昨年よりNTTデータ様にご協力いただき、VR技術を活用した打撃トレーニングシステムV-BALLERをリハビリテーションで試用し、その有効性を検討してきました。

V-BALLERは、ヘッドマウントディスプレイや付属のコントローラを使用し、VR空間上で投手の球種や球速などのリアルな打撃シミュレーションを提供するシステムです。このシステムは2017年から国内外のプロ野球チームに提供され、2022年4月からは、さらに機能を強化し、アマチュア野球にもサービスが提供されています。

当院は、昨年から腰椎分離症等の打撃障害のリハビリテーションにおいて、V-BALLERの有効性を検討しました。腰椎分離症は、初期で50日以上、進行期で70日以上の復帰期間を要するため、患部の治療と並行してバッティングパフォーマンスを維持することが重要な課題となっています。

これまでのリハビリテーションでは、打撃の特異的なスポーツビジョントレーニングや、投手が投げたボールに対してバットを振り出すタイミングの維持・向上は困難でした。しかし、V-BALLERを用いることで、これらの課題に対して解決の可能性が見えてきました。また、素振りなどのクローズドスキルで獲得したバットスイング動作を、フリーバッティングなどのオープンスキルでも発揮するための架け橋としても、V-BALLERを用いた練習が効果的である可能性があります。

このように、V-BALLERを打撃障害のリハビリに活用することで、リハビリ期間中のパフォーマンス低下を防ぎ、復帰後、早期に高いパフォーマンスを発揮する手助けとなることが期待されます。

NTTデータ様によると、医療機関でのV-BALLERの活用例はまだ少ないとのことで、当院での試用結果は、今後のV-BALLERの開発や他の医療機関への導入に活かされるとのことです。

当院では、野球選手のリハビリテーションにおいて、従来の方法に加え、様々な企業と連携しながらスポーツテックの情報収集や検討を進めています。今後も、様々なスポーツテックの導入を進め、リハビリテーションの質をさらに高めて参ります。