ジャンプのパワー評価が、投球障害からの復帰の質に関係する理由

武蔵小杉のベースボール&スポーツクリニックです。

当院では、野球肩や野球肘といった投球障害で受診された患者様に対して、患部の評価に加えてカウンタームーブメントジャンプ(CMJ)の測定を行ってています。これにより、症状の改善だけでなく、復帰の質まで見据えたリハビリテーションを行っています。

野球の投球動作において、CMJで発揮される下肢のパワーは、球速に関与する重要な能力の一つと考えられています。

一般に「ジャンプが高い=球速が速い」と捉えられることがありますが、垂直跳びの高さと球速との間には明確な関連は認められていません。ジャンプ高は体重あたりのパワー(相対パワー)の影響を強く受ける指標であり、軽量な選手が有利となる特性を持っています。

一方、野球の投球動作では、マウンドの傾斜を利用しながら体を本塁方向へ加速させることでエネルギーをボールへ伝達します。このとき重要となるのは、体重と速度の積である運動量であり、その基盤となるのが下肢で発揮される絶対的なパワーです。そのため、CMJにおける絶対ピークパワー(W)は、球速と関連する指標の一つとされており、先行研究においても直球の球速と有意な正の相関が報告されています。

当院では、こうした客観的な指標に基づいた評価をもとに、個々の患者様に応じたリハビリテーションを行い、再発予防と質の高い競技復帰を目指しています。