意外に侮れない「足関節捻挫」

足関節捻挫はジャンプや着地を繰り返すスポーツで多く発生する傾向があり、バスケットボールでは79%、バレーボールでは87%の選手が経験しています。スポーツ活動中に発生する足関節捻挫は、スポーツ傷害全体の45%を占めています。しかし、捻挫後に医療機関を受診しない選手も多く、損傷が十分に治癒しないまま競技に復帰するケースが懸念されています。足関節捻挫の再発率は73%にのぼり、そのうち59%が何らかの後遺症を抱えると報告されており、これが長期的なパフォーマンス低下に繋がる可能性があります。

足関節捻挫は程度により差はありますが、一定期間の安静やサポーターでの固定が必要です。固定期間後にはリハビリテーションが開始されますが、当院を受診される方々には以下のような症状をお持ちの方がいます
1. 骨挫傷(骨の内出血)を合併している方
2. 特定の方向への可動域制限と部分的な痛みが残っている方
3. 不安定性が残り、切り返し動作などで不安感や痛みが残っている方

当院では、院内のMRIを使用して迅速に靭帯や腱などの軟部組織の損傷以外の問題を検査できます。リハビリテーションでは、各方向への可動域や機能が十分であるかを確認し、疼痛への不安がなく動けるようなトレーニングを行い、再発防止をサポートしています。

今回は、「意外に侮れない足関節捻挫」と題したお話をさせていただきました。「たかが捻挫」と軽視せず、受傷後はすぐに医療機関での診察を受けることをお勧めします。適切な初期対応と専門的なリハビリテーションにより、後遺症のリスクを減らし、より早く、安全にスポーツへの復帰が可能となります。