野球肘①〜痛みを感じたときの対処法〜

武蔵小杉のスポーツ整形外科ベースボール&スポーツクリニックです。

今回のブログは、ジュニア期の野球肘についてです。

「肘が痛い…」と言うジュニア期の野球選手に対して「しばらく休めば治る」と思っている方がいますが、それはリスクが高い考え方です。

その根拠として、肘の内側障害の研究では、疼痛発症から1週間以内に治療を開始した方が治りやすく、1ヶ月以上以上経ってから治療を開始すると治療成績が悪く(治りが悪く)なるというデータがあります。

また、「まずはアイシングをして様子を見よう」という対応をしているチームがありますが、それもまたリスクが高い考え方です。アイシングは痛みを抑える効果がありますが、治癒を促進する効果があるかはわかっていません。

実際に靭帯や骨を損傷したジュニア期の野球選手がアイシングによって痛みが取れてしまい、しかし、治癒はしていない状態でプレーをしてしまった結果、障害が悪化してしまうケースがあります。そのため、当院ではジュニア期の野球選手にはアイシングをおすすめしていません。

以上のことから、野球をしていて肘に痛みを感じた場合には、早急に医療機関を受診することをおすすめします。

次回は、ジュニア期の肘の障害が将来おとなになったときに影響を残すことについてお伝えします。

参考文献
馬見塚尚孝(2019)『新版 野球医学の教科書』ベースボールマガジン社.


※コロナウイルスの感染拡大の防止を目的としたスポーツ活動の自粛に関する当院の取り組みについて

当院は、コロナウイルスの影響で活動を自粛されている野球関係者の皆さまに対して、ブログYouTubeWebセミナーなどを通じて、野球をする子どもたちやその保護者、指導者の皆さまのお役に立てるような情報発信をしています。

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