野球肘③〜ジュニア期の投球肘障害を予防するためには〜

神奈川県川崎市のスポーツ整形外科「ベースボール&スポーツクリニック」です。

前回のブログでは、ジュニア期の肘の障害がおとなになってからも影響することをご紹介しました。今回は、どのように野球肘を予防するかをお伝えします。

昨年、日本高校野球連盟が「1人の投手が1週間に投球できる総数を500球以内」などとする新しい規則を実施することを決めました。この決定は、高校野球選手を投球障害から守ろうとする象徴的な取り組みです。

しかし、当院には、投球数をすごく制限しているのに肘を痛めたり肩を痛めたりした選手が来ています。なぜでしょうか?

当院では、投球障害を防ぐための5つの要素があると考えています。

当院の考える5つの要素の中には「投球数」も含まれますが、投球数以外にも全力で投げたのか軽く投げたのかといった「投球の強度」。連投による疲労が残っていないかといった「コンディション」。そしてフォームの良し悪しといった「投球動作」。身長や骨の成熟が十分かどうかといった「個人差」があります。

当院では、投球数だけでなく、これらの5つ要素を全体として考えていくことが投球障害を予防するために必要だと考えています。

この5つの要素の考え方については、NHKのホームページで当院の馬見塚尚孝医師が解説していますので、是非、下記のリンクからご覧ください。

NHK スポーツストーリー
「球数制限を考える②〜医師たちからの提言〜」
https://www.nhk.or.jp/sports-story/detail/20190823_3987.html

今回まで3回にわたり野球肘についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。

最後に…今回、お伝えした予防も大切な取り組みのひとつですが、野球肘①でお伝えしたように肘に痛みを感じた場合には、早急に医療機関を受診し治療を開始した方が治りやすいというデータがあります。

ジュニア期の野球選手が肘に痛みを感じた際には、早めにご受診ください。

参考文献
馬見塚尚孝(2019)『新版 野球医学の教科書』ベースボールマガジン社.

ベースボール&スポーツクリニック
https://baseball-sports.clinic
TEL 044-711-8989


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